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民法改正で自筆証書遺言はこう変わる!

最終更新日:

民法改正で自筆証書遺言はこう変わる!

【この記事の執筆者】

愛知県名古屋市を拠点に活動する相続専門家集団レクサーの代表税理士。
20歳の頃、実家が相続税で失敗したことをきっかけに相続税専門の税理士を目指し、26歳で開業。

代表税理士 伊東秀明の写真

伊東 秀明

※この記事は動画解説付きです!

 

ほとんどの方が、

 

「遺産相続争い」

 

という言葉を聞いたことがあると思います。

 

 

高齢化の進展や社会情勢の変化によって相続をとりまく環境は大きく変化してきました。

 

「長男が家を継ぐ!」

 

家督相続は今となっては、はるか昔の話です。

今は、長男かどうか、男か女かに関係なく一人一人の権利意識が強くなり、遺産相続争いが増えてしまいました。

 

 

遺産相続争いを回避するために最も有効な手段が「遺言書」なんですが、法律のルールが厳しく、使い勝手の悪い部分があったためついに民法改正が行われます!!

 

 

つまり、国をあげて相続をめぐる骨肉の争いに歯止めをかけようという流れです。

 

 

 

では、さっそく自筆証書遺言のどこが改正されるのか解説していきます。

 

 

具体的には

 

① 作成方式

② 保管場所

③ 検認の省略

 

が自筆証書遺言に関しての改正3大ポイントです。

 

 

民法改正、相続法改正、自筆証書遺言、遺言書はこう変わる

 

 

 

自筆証書遺言の作成方法が簡略化

 

これまでの自筆証書遺言は偽造リスクを抑えるために全文を遺言者本人が自書する必要がありました。

 

例えば、

 

「全財産を○○に相続させる」

 

といったように簡単な内容であれば問題はなかったのですが、通常は

 

「A,B,C財産は○○に相続させ、D,E,Fの財産は××に相続させる」

 

といったように、財産の内容を細かく記載しなければならないため、財産のすべてを記載することはとても大変なことでした。

 

もちろん、誤字や書き損じがあれば法律の厳格なルールに従って訂正をしなければならず、訂正方法を間違えているとその部分が無効とされるリスクがありました。

 

 

そう、作成方法が面倒だったんです!!

 

 

 

そこで、今回の相続法改正で作成方法が簡略化されました。

 

 

具体的には

 

財産目録の作成がパソコン等でOKになったのです。

 

例えば、土地であれば所在、地積、登記地目など、預貯金であれば金融機関名、支店名、口座種類、口座番号などを記載した財産目録をパソコンで作成して添付することで有効な遺言書となります。

 

財産目録に署名押印が必要にはなりますが、財産目録の中身の部分を自書しなくてすむだけで遺言書の作成がかなり楽になるかと思います。

※財産目録が複数枚になる場合には枚葉に署名押印が必要です。また、両面に記載がある場合には、両面に署名押印が必要です。

 

 

 

保管場所の安全性が確保

 

これまでは自筆証書遺言を作成した場合には遺言者自身が遺言書を保管する必要がありました。

 

よくある保管場所としては、自宅のタンスや机の中、金融機関の貸金庫があげられます。

 

自宅に保管してある場合には、遺族が遺言書を発見できなかったり、遺言書の存在を知らないといったこともありました。

 

 

せっかく遺言書を作成していても、その存在がわからなければ無いも同然です。

 

 

そこで、今回の改正で任意で自筆証書遺言の保管を国の機関に依頼できるようになりました。

 

 

具体的には、

 

自筆証書遺言を作成のうえ、無封の状態で法務局に持ち込むことで遺言書の保管をしてもらえるようになるのです!

 

 

なお、法務局では以下の遺言書の情報を磁気ディスクで保管します。

① 遺言書の画像情報

② 遺言書に記載されている作成の年月日、遺言者の氏名・生年月日・住所及び本籍(外国人については国籍)、受遺者や遺言執行者の氏名・名称・住所

③ 遺言書の保管開始日

④ 遺言書保管所の名称及び保管番号

 

 

つまり、これまで自筆証書遺言の4大リスクであった

 

・偽装リスク

・紛失リスク

・未発見リスク

・隠蔽リスク

 

が軽減されることになったのです!

 

自筆証書遺言の偽造リスク、紛失リスク、未発見リスク、隠蔽リスクが軽減

 

 

検認の省略が可能に

 

従来の自筆証書遺言は相続発生後遺言書を家庭裁判所に持ち込み、検認(遺言書の開封手続き)を行った後でなければ相続手続きを行うことができませんでした。

 

通常、検認には1~2か月程度の時間がかかるため、相続後すぐに相続手続きができないというデメリットがあり、公正証書遺言と比べて不便な一面がありました。

 

 

そこで、改正によって法務局に保管された自筆証書遺言については検認不要で相続手続きを行えるようになりました。

 

これまでの自筆証書遺言で検認が行われていた理由は、国の機関として相続人へ遺言書の存在と内容を知らせることで偽装を防止するためでした。

 

そのため自筆証書遺言を法務局が保管することで偽造の恐れがなくなり(遺言書保管時に本人確認等があります)、検認の省略が可能になるというイメージです。

 

 

まとめ

今回の改正は、遺言書の作成方法を簡略化してできるだけ多くの人に「遺言書のある円満な相続」を実現して欲しいというのが思いでしょう。

 

裏を返せば、遺言書がない相続ではそれだけ高い確率で遺産相続争いが発生しているということでもあります。

 

 

今回の改正内容の運用が始まるのはまだ少し先ですが、上手に遺言書を活用して家族が相続で争わないように対策してあげる心づかいが大切です。

 

 

 

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