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名古屋駅を拠点に活動する相続税専門の税理士事務所レクサーの伊東秀明です。
通常の生前贈与は毎年110万円まで非課税とされていますが、今回は贈与税の非課税枠が2500万円になる「相続時精算課税制度」について解説します。
一見するとめちゃくちゃお得に聞こえる「相続時精算課税制度」ですが、非課税枠2500万円の裏側には落とし穴が...
相続時精算課税制度のメカニズムと注意点、そして上手な使い方を解説します!
相続時精算課税制度とは?
相続時精算課税制度とは「一生の累計で2500万円までの生前贈与について贈与税を非課税にします!でも、贈与した人が亡くなったら生前贈与を受けた財産にも相続税を課税します」という制度です。
まさに、その名の通り「生前に贈与を受けた財産は、相続の時に過去の分も遡って精算して相続税を課税する制度」なんです。
例えば平成29年から相続時精算課税制度を使う人が平成29年は500万円、平成30年は700万円、平成31年は500万円、令和2年は500万円の累計2200万円をもらったところでこれらの贈与をした人に相続が発生したとしましょう。
相続時精算課税制度は一生を通して2500万円までの贈与が非課税となりますので、今回のケースではいずれの年分でも贈与税は発生しません。
ただし、相続時精算課税制度を適用した後に受けた贈与については相続が発生したときに相続税の課税対象とされますので累計2200万円が相続税の対象となります。
言葉ではなかなか分かりづらいと思いますのでこちらのイメージ図をご覧ください。
生前贈与は通常、毎年110万円までの非課税枠があり、110万円を超えた部分に贈与税が課税される仕組みになっていますので、相続時精算課税制度を適用したい場合には税務署に対して相続時精算課税選択届出書を提出して「これからは相続時精算課税制度を適用します!」という意思表示を行う必要があります。
そして、この相続時精算課税制度は誰でも使うことができるわけではなく、「もらう側」「あげる側」それぞれに年齢制限があり、さらに両者の親族関係にも制限があります。
具体的には
財産をもらう人は20歳以上
財産をあげる人は60歳以上
両者の親族関係は直系尊属(父母や祖父母)が直系卑属(子や孫)に行う生前贈与
に限定されています。
では、相続時精算課税制度の非課税枠2500万円を超えたらどうなるのでしょうか?
相続時精算課税制度は一生を通して累計2500万円までの贈与が非課税とされていますので、2500万円に達するまでは何回生前贈与を受けても贈与税は発生しませんが、過去に受けた贈与の金額の累計が2500万円を超えると超えた部分に対して一律20%の贈与税が発生します。
例えば、相続時精算課税制度選択後に受けた贈与の金額の累計が2500万円の人がさらに500万円の贈与を受けたとしましょう。
この場合には、贈与を受けた累計額が3000万円となり非課税枠2500万円を500万円超えることになるため、超えた部分の500万円に一律20%の贈与税がかかることになります。
イメージ図はこんな感じです。
<注意点①>過去の贈与全部が相続税の対象に!
通常の生前贈与の場合、相続開始前3年以内に受けた贈与財産のみが相続税の対象とされますが、
相続時精算課税制度の選択をした場合、贈与した人が亡くなったときに
相続時精算課税制度選択後にその人から受けたすべての贈与財産
が相続税の対象となります。
<注意点②>一度選択すると一生適用!やめられない!
こんな質問をうけることがあります。
「相続時精算課税制度の非課税枠2500万円をすべて使い切ってしまったので毎年110万円まで非課税とされる暦年課税に戻りたいんだけど、どうすればいいですか?」
残念ながら、それはできません!
相続時精算課税制度を選択した場合、一生取り消すことはできず、通常の贈与税計算方法である「暦年課税」による贈与税非課税枠110万円に戻ることはできません。
相続時精算課税制度は一度選択すると一生自動継続です!
ちなみに、110万円の非課税枠との併用もできません。
相続時精算課税制度は基本的に使っちゃダメ!!
勘のいい方ですと、もうお気づきですよね!?
相続時精算課税制度は2500万円まで贈与税がかからないので、一度にまとまった財産を税金をかけずに生前贈与することができるけど、結局、生前贈与した財産すべてが相続税の対象とされるので節税にならないんです!
通常の生前贈与は毎年110万円しか非課税になりませんが、相続開始前3年分しか相続税の対象として持ち戻しされないため何年もかけてコツコツ生前贈与を行えば確実に相続財産を減らして節税することができます。
相続税の節税対策として生前贈与を行うのであれば、絶対に通常通りの暦年課税です!
よほどの個別事情がなければ
相続時精算課税制度を選択するのはNG
です。
とは言っても、相続時精算課税制度を使った方が良いケースもあります。
次は相続時精算課税制度の上手な使い方を説明します。
相続時精算課税制度の上手な使い方
相続税は被相続人(亡くなった人)の死亡時点の時価で財産評価して計算することになっていますが、生前に贈与を受けた財産で相続税の対象とされるもの(相続時精算課税制度の適用を受けた財産や暦年課税で3年以内贈与に該当するもの)については、贈与を受けた時点の時価で相続税を計算することになります。
使えるケースは稀ですが、一つ目に紹介する相続時精算課税制度の上手な使い方はこの仕組みを活用した方法です。
これは郊外でたまにある話ですが、数年後に「電車が開通する予定だ」「開発の計画がある」「調整区域から市街化区域に変わりそう」「大きな商業施設が誘致されそう」などの情報が入ってくることがあります。
例えば、現在は1億円の土地だけど将来2億円になるかもというようなケースです。
将来土地が値上がりした後で相続が発生すると値上がり後の金額で相続税が計算されることになります。
逆に、値段が低い今、生前贈与しておけば値段の低い贈与時の評価額で相続税を計算することができます。
もちろん、通常通りの暦年課税だと贈与税がとんでもなく高い金額になってしまうため、相続時精算課税制度を使って支払う贈与税を20%に固定します。
こうすることで、生前贈与から相続まで何年経とうとも贈与時の低い評価額で相続税を計算しつつ、支払った贈与税を相続税からマイナスさせることができるんです。
まとめ
相続時精算課税制度は使い方を間違えてしまうと全然節税できなかったり、逆に税金で損してしまうこともあります。
もし、相続時精算課税制度の適用を検討するのであれば相続専門の税理士に相談してから使うようにしましょう!
税理士事務所レクサーでは相続税申告だけではなく、相続発生前の節税コンサルティングにも力を入れていますので生前贈与をご検討の方は一度、相談してみて下さい!
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名古屋の相続税専門税理士事務所レクサーでは相続が既に発生している方のために初回1時間無料相談を実施しております。様々な相続手続きの中でも相続税申告は相続から 10 か月以内に行う必要があり、さらに現金一括払いが原則的なルールとなっています。
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まずは初回無料相談でこれからやるべきこと、注意点などをご説明させていただきます。
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税務署に一度納めてしまった相続税でも、相続税の申告期限から 5年以内であれば「更正の請求(こうせいのせいきゅう)」という法律上の手続きを行うことで支払いすぎた相続税を取り返すことができます。
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